赤ちゃん力士元気に 山路王子神社で泣き相撲

元気いっぱいに泣き声を上げる子ども
元気いっぱいに泣き声を上げる子ども

子どもの無病息災を祈る「泣き相撲」(奉納花相撲)が13日、和歌山県海南市下津町市坪の山路王子神社(西岡均宮司)で行われた。生後3カ月から4歳までの約70人が土俵に上がり、元気いっぱいに泣き声を上げた。

泣き相撲は400年以上前から続けられ、県の無形文化財に指定されている同神社の伝統神事。背中に清められた土俵の土を付け、無病息災を祈願する。

県内だけでなく、東京や神奈川など他府県からの参加もあり、約300人が見守る中、赤いまわしを締め、鉢巻きをした子どもらが父親や祖父に支えられながら境内の土俵に入った。

それぞれの背中に土が付くよう、1勝1敗の取組が行われ、元気いっぱいに泣く子や全く泣かない子、土が付かないよう足を突っ張る子など、ほほえましい姿が見られた。

子どもの泣き声が上がると、笑顔で見守っていた多くの人らから「よう泣いた」と、歓声と拍手が送られた。和歌山市から訪れ、坂本優心ちゃん(1)の取組を見守っていた母親の紗希さん(31)は「しっかり泣いていた。健康で元気に育ってくれたら」と笑顔だった。

取組前には、西岡宮司のおはらいと、小学生行司の口上があった。氏子の小学生が代々行司を務めるという習わしで、行司は「神様にお祈りをして奉納花相撲を興行仕り候」と口上を述べた。

西岡宮司は「天気も良く、元気に泣いていた。少子化でもたくさんの人が参加してくれた。ありがたい」と話した。