ゆっくり街巡り 9人乗り自転車体験イベント

街を巡るパーティーバイク
街を巡るパーティーバイク

9人乗り自転車で和歌山市のぶらくり丁や市堀川周辺を巡る体験イベントが12日から14日にかけて行われ、乗客は風を感じながら街の景色を楽しんだ。10月から11月に市内で開かれるさまざまなイベントを徒歩や自転車などで巡ることを呼びかける取り組み「IN THE LOOP(インザループ)2024」の一環。

和歌山のまちなかで活動する有志の団体が集まって立ち上げた実行委員会が、スローに移動そのものを楽しめるモビリティで、街全体を楽しんでもらいたいと企画した。

同自転車は、ヨーロッパやアメリカでビールを飲みながらこぐ乗り物として人気のビアバイクをモデルにした乗り物。兵庫県の自動車整備会社が日本でも楽しめるようにオリジナルで製作し「パーティーバイク」と呼ばれている。

全長4㍍、幅2㍍、高さ3㍍で、乗客は座席に付いているペダルをこぎ、運転手は進行方向とブレーキを操作する。真ん中にはカウンターがあり、走行しながら飲食ができる。

自転車は北ぶらくり丁を出発。乗客はこの日同所で開催している空き店舗や空き家を活用したイベント「まちドリ」や「北ぶらリメンバーマーケット」、「Kisssh-Kissssssh映画祭」の会場を巡り、市堀川周辺などを約1時間かけて周遊。夜は京橋親水公園の市堀川夜市も楽しんだ。

参加した女性(22)は「誰かがサボるとペダルが重くなるから、みんなで力を合わせてこいだ。知らなかった面白そうなお店を見つけることができた」、男性(66)は「意外としんどくなかった。通行人が手を振ってくれてまるで遊園地にいるみたいだった」と笑顔。

市と協働でまちづくりを行うUR都市機構西日本支社まちづくり支援課の吉田英雅課長は「普段は一つのイベントに来てそこで楽しんで終わりだが、少し歩いたらいいお店がある。街に滞在することで楽しさの厚みが増すので、このイベントがそれを知るきっかけになってくれるとうれしい」と話していた。