築野食品の「こめ油」が食品産業技術功労賞

商品・技術部門賞を受ける築野社長㊨(同社提供)
商品・技術部門賞を受ける築野社長㊨(同社提供)

和歌山県かつらぎ町の築野食品工業㈱(築野富美代表取締役社長)が製造する「圧搾一番搾り国産こめ油」が、食品産業新聞社主催「第54回食品産業技術功労賞」の商品・技術部門賞に輝きました。

食品産業技術功労賞は、日本の食品産業の発展に著しく貢献した企業、個人、団体をたたえるもので、同新聞社が1971年に制定。

今回は、独自技術を背景にしたヒット商品やサービスなど、6部門38件の商品・テーマが受賞しました。部門別の内訳は、商品・技術部門が11件、資材・機器・システム部門が8件、マーケティング部門が6件、サステナビリティ部門が7件、国際部門が4件、地域創生部門が2件。

流通している量産品のこめ油の一般的な製法は、米ぬかにはわずか20%の油分しか含まれないため、食品添加物として認められている有機溶剤を使ったものでしたが、築野食品工業は、圧搾こめ油のニーズの高まりを受け、こめ油専業メーカーとして長年研究を重ね、江戸時代から続く圧搾製法での量産化に成功。精製工程においても30年以上前から確立、一部実施している蒸気精製法(スチームリファイニング製法)を応用し、完全無溶剤での精製を実現させており、同商品は国産の米ぬかと米胚芽の豊富な栄養分が凝縮された貴重な食用油となっています。

一般財団法人食品産業センター、国立健康・栄養研究所、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)などから構成される選考委員からは「商品・技術部門では、健康配慮や食の多様化に対応するための技術開発に取り組んだ企業の受賞が多かった」とのコメントがありました。

商品・技術部門では、同商品の他、健康的な生活を支える食品や飲料などのアサヒビール㈱「アサヒゼロ」や雪印メグミルク㈱「恵megumiガセリ菌SP株ヨーグルト」などが受賞しています。