下水道管を緊急点検 八潮の事故受け和歌山市

下水道の緊急点検を発表する尾花市長
下水道の緊急点検を発表する尾花市長

埼玉県八潮市で1月28日に発生した道路の大規模陥没事故を受け、和歌山市の尾花正啓市長は31日、市内の公共下水道汚水幹線の緊急点検を開始したことを明らかにした。

八潮市の事故は道路の地下に設置された下水道管の腐食、漏水が原因とみられている。和歌山市には国が緊急点検を要請している大型管路はないが、独自に点検の実施を決定。流路の状況などにより管路の腐食が起きやすいとみられる箇所を中心に行う。

30日には約90㌔の管路上の道路を自動車で低速走行し、路面やマンホールに変化がないか目視で確認するパトロールを実施。異常は見つかっていない。31日午後からは29カ所のマンホール内の点検を開始。下水が通常通り流れているか、土砂の流入などはないかを目視で確認し、1週間程度で完了すると見込んでいる。

点検対象箇所の下水管は直径20㌢~2・2㍍と小さく、人が管路内に入るのは困難であるため、目視で異常があった場合は、管路内を走行できる機器などを使い、さらに詳細な調査を行う。

市内でも下水道管路の老朽化は進んでおり、2019年5月には塩屋で、管路が腐食、漏水し、長さ25㍍、幅3㍍にわたって路面に影響が現れ、通行止めとなる事例があった。

尾花市長は「陥没が起こると人身事故にもつながりかねない。緊急に点検して安全を確認していきたい」と述べた。