子どもの第三の居場所 スマイルテラス開所

「家に居場所がない」「規則正しい生活ができない」などの課題を抱える子どもたちに、安全で安心な場所を提供しようと、和歌山市つつじが丘の社会福祉法人虎伏学園は、2日、市内に子ども第三の居場所「スマイルテラス」を開所した。居心地の良い環境の中で専門のスタッフが学習サポートや食事を提供し、さまざまな体験を通して、子どもたちが将来に希望を持ち、生き抜く力を養うことを目的としている。
公益財団法人日本財団の助成金事業「子ども第三の居場所事業」を活用しており、県内で初めての事業となる。2027年度からは市の事業として引き継ぎ同学園に委託。市、県、国が補助する。
建て物は平屋で、8畳の和室を含む40畳の台所付きリビングダイニングは開放感があり、学習室などに利用する6畳の洋室を二つ備える。
開所日は月曜、水曜、土曜。利用は無料で、貴志地区などの小学校低学年の児童を中心に児童の兄姉(中学生まで)も利用でき、定員20人。具体的な利用対象の条件などは今後、行政や地域と連携して設定していく。臨床心理士、調理師、家庭支援専門相談員らが在籍し、一日、4、5人のスタッフが付き添う。必要に応じて保護者への相談支援も行い、誰でも参加できる交流イベントも開催予定。
虎伏学園、日本財団、市が協定を締結し、同所でこの日、開所式と協定書調印式が行われた。尾花正啓市長や同財団公益事業部子ども支援チームの山下大輔チームリーダー、同学園総合学園長の前田哲也理事長、同所の奥田隆行責任者、阿形博司市教育長、地域の学校長、自治会や市、県の関係者ら、約50人が参加した。
尾花市長は「課題を抱える子どもらにとって、まさにもう一つのわが家。笑顔で楽しく過ごせる施設になれば。引き継ぎ後も、安定した運営ができるように取り組んでいきます」とあいさつした。
奥田責任者は「ありのままの姿を受け入れ、子どもを社会不安から守り、不安を希望に変えていきます。将来の自立に向け、生きる力を育める居場所をつくっていきたい」と話した。問い合わせは同学園(℡073・480・1043)。