残りの日々かみしめ りら高生が卒業証書を手作り

卒業式を控えた和歌山県紀美野町真国宮のりら創造芸術高校(山上範子校長)の3年生は20日、自身が受け取る和紙の卒業証書を同町の「手漉(す)き和紙工房あせりな」で手作りした。
同工房の西森有紀さんが、同校の美術講師として勤務することから、他にはない卒業証書を制作しようと19年度から取り組みを始めた。
同工房では西森三洋さん(57)、有紀さん夫妻が、昔ながらの方法で17年から、自然素材100%の和紙を制作している。
卒業証書に使用する和紙は、自家栽培の楮(こうぞ)とトロロアオイの根の粘液、水を合わせたもの。簾(す)を取り付けた木枠の桁(けた)に原料をすくい、縦に横に揺らして作る。中央に同校の校章の透かしがある和紙と、透かしのない和紙の2枚を作り、重ね合わせ、他にはない証書が出来上がる。
3年生17人は、三洋さんから和紙の原料や工程の説明を受けた後、原料の中で菌が繁殖しないよう山の水で手を洗い、一人ずつ作業にあたった。
原料をすくい、重くなった桁に体が持っていかれそうになりながらも踏ん張り、縦横に丁寧に動かした。「思っていたより重い」「縦に揺らすことが難しい」などと、和やかな雰囲気で楽しんでいた。前田琉偉さん(18)は「証書作りの日を迎えて卒業を実感している。同期は集結すると最強で最高のチームだった。今は達成感もあり寂しさもある。残りの日をみんなで楽しみたい」と話した。
制作した和紙は半日かけて水分を抜いた後、乾燥させる。3月の卒業式で、完成した卒業証書を各自が受け取る。


