地域とつながる場に 岩出のスタバで認知症カフェ

認知症の人や家族、地域住民、医療や福祉の専門家が垣根を越えて集い、交流する「認知症カフェ」。これまで会議室や施設内での開催が一般的だったこの集いが12日、スターバックスコーヒー岩出店で開かれた。和歌山県内では橋本市に続き2例目の開催で、誰もが気負わず話せる憩いの場として大きなにぎわいを見せた。
主催したのは、認知症の人たちが自ら役割を選択し、地域で輝く「社会参加型デイサービス」として注目される「BLGきのかわ」。社会福祉法人光栄会が運営を担い、認知症になっても自分らしく活動できる場を目指す全国ネットワーク「BLG(バリア・ライフ・ギャザリング)」の県内初拠点でもある。同施設ではポスティングや畑仕事、こども食堂への景品作りなど、メンバー自らが活動を選択し、やりがいを感じることを大切にしている。
この日は認知症当事者8人を含む計23人が参加。店内の一角に設けられた会場では、コーヒーを飲みながら参加者が過去の趣味や人生経験を語り合う自由な会話が弾んだ。その中で、専門職らが輪に加わり、本人や家族の相談に応じる場面もあった。
地域で民生委員を務める三浦健一さんは、自身の周りに外で活動する認知症の人がおらず、どのような様子かを知りたくて参加したといい「自分の得意なことを話す皆さんの目が輝いていたのが印象的。楽しかったのでまた来たい」と笑顔を見せた。
同店での認知症カフェは昨年末に続き2回目。ストアマネージャーの山中恵理さんは「お店でのふれあいを大切にし、この店が皆さんにとって『あって良かった』と思ってもらえる存在になりたい」と話し、今後は和歌山市など近隣店舗へも広げ、岩出店でも定期的に開催していきたいという。
活動を支える道場浩幸さんは「特別な場所ではなく、普段行くカフェだからこそ、誰もが気軽に立ち寄れる。そんな『日常の中にある安心』を、これからもまちのあちこちに増やしていきたい」と意気込んでいる。


