未受診児への対応強化 2歳児虐待死事件で和歌山市

乳幼児健診の未受診家庭への対応強化について話す尾花市長
乳幼児健診の未受診家庭への対応強化について話す尾花市長

和歌山市で2025年に発生した2歳女児に対する両親の保護責任者遺棄致死事件を受け、尾花正啓市長は14日、乳幼児健診の未受診家庭への対応を1月にマニュアルとして明文化し、3月に見直しを行ったことを明らかにした。新マニュアルでは、未受診と判断してから訪問などの対応を進める期間を短縮した他、未受診児の情報を養育支援定例検討会で共有して対応するとしている。

両親から暴行を受けるなどして死亡した平流菜ちゃん(当時2)の事件では、4カ月健診を最後に市の乳幼児健診を受けておらず、市職員が2024年12月に自宅を訪問して母親と流菜ちゃんに面会した際は、目視で異常はないと判断していた。流菜ちゃんはその後も受診しないまま、25年7月に死亡した。

マニュアルの見直しは主に2点で、1点目は対応期間の短縮。健診を受けなかった家庭には電話や案内の再送付などで受診を促した上で、1カ月以内に未受診と判断した後、訪問や関係機関との連携などの対応により状況確認を図るが、この期間を従来のおおむね2カ月以内からおおむね1カ月以内とし、より迅速な対応を進める。

また、従来は市職員や関係機関によって子どもの様子を現認できた場合、状況確認をいったん終了としていたが、今回の見直しでは、現認できた場合でも、未受診の子どもについては全員、各保健センターなどで毎月開催される「養育支援定例検討会」で情報を共有し、対応を継続することにした。

さらに、市職員が訪問で子どもを現認した際には、強制力はないが、身長・体重を測定し、子どもの健康状態を把握することを目指す運用に改めた。

尾花市長は14日の定例記者会見で対応の強化を説明した上で、「痛ましい事件を避けるには行政だけでは無理なところがある。民生委員やPTA、学校関係者など、できるだけ多くの人の目で虐待を防げないか、地域全体で取り組んでいきたい」と話した。