ジョイ・コム「紡ぎプロジェクト」 和歌山市、紀陽銀と協定

認定NPO法人ジョイ・コム(和歌山市中島、岡田亜紀理事長)は、貧困などの困難な状況を抱える子どもたちに、地域の飲食店の協力を得て食事を提供し、地域ぐるみで支援する新たな仕組みを構築する「紡ぎプロジェクト」の推進に向け、3日に同市、㈱紀陽銀行と連携協力の協定を締結した。
同NPOや市によると、子どもたちへの食事支援では、「こども食堂」が県内でも広がりを見せ、市内は34カ所で開設されているが、実施頻度が限られていることに加え、食事の支援を受ける場に行くことを望まない当事者の心情や偏見への懸念などがあり、岡田理事長は「本当に支援が必要な子どもに届けることが難しい現状がある」と考えてきた。
同プロジェクトは、地域の飲食店に協力を呼びかけ、通常営業の延長として子どもたちに食事を提供する取り組み。専用カードを配布し、子どもたちが自宅の近くにある協力店舗でカードを提示すれば安心して食事ができる仕組みを構築することで、飲食店を子どもたちの頼れる場所とし、地域全体で子どもたちを見守り、支える「思いやりの輪」を広げることを目指している。
カードには二次元コードを入れ、利用データを把握することで、利用頻度が高い子どもを、必要な他の支援につなげることもできると想定している。
今回の協定に基づき、紀陽銀は同プロジェクトに必要な資金調達に向けた助言や提言を行い、市は同プロジェクトの普及啓発や情報発信に関する支援を担うとしている。
締結式は市役所市長室で行い、岡田理事長、尾花正啓市長が協定書に署名。紀陽銀の原口裕之頭取は事前に署名し、締結式には向井守寿取締役常務執行役員が立ち会った。
尾花市長は「本当に必要な子どもに必要な支援が届いているかと自問自答してきた。新たな形で、いつでも困った時に子どもが食事を頂くことができるプロジェクトは素晴らしく、うまくいけば全国のモデルになる」と期待を寄せた。
岡田理事長は、こども食堂やフードバンクなどさまざまな支援の方法があることが重要だとした上で、「一つの取り組みだけでは支援を必要とする人を救えない。いろんな取り組みの輪ができ、重なり合うことで、救うことができる網目が小さくなればいい。紡ぎプロジェクトはその一つの輪になりたい」と話した。
3者の連携協定締結を記念し、5日には同市の県民文化会館で特別講演会を開催。公益財団法人社会貢献支援財団会長で、安倍晋三元首相夫人の安倍昭恵さんが「思いやりが未来を紡ぐ~助け合える地域社会を目指して~」をテーマに話した。

