高齢者らに安心の旅を 介護のプロが付き添い

 「思い出の地にもう一度行きたい」「お墓参りをしたい」「温泉に行きたい」。高齢者や障害者のこんな願いに応えたいと、デイサービスなどを行っている㈲スマイル(和歌山市坂田)が、県内初のバリアフリー旅行事業を行う「ユニバーサルトラベル紀州」を立ち上げた。仲岡志津代表取締役(45)は「和歌山の方だけでなく、かつて和歌浦や白浜に新婚旅行に来た関西圏の高齢者に、再び訪れてもらうのも目的の一つ」と話している。

 旅行は全てオーダーメード。ちょっとした外出から海外旅行まで、利用者の希望や不安を聞きなが計画を作る。旅行には介護士や介護福祉士、ホームヘルパーら専門スタッフが付き添い、利用者の要支援度に応じて食事や入浴、排せつの手伝い、服薬確認も行う。

 目的地までは自分で行けるという人には、現地のバリアフリーのホテルや介助スタッフを紹介するなど支援はきめ細やかだ。

 立ち上げのきっかけは3年前。末期がんの男性の沖縄旅行や、病気のため十数年間旅行していなかった夫婦の白浜旅行に付き添い、「いい思い出ができた」と大喜びされたこと。準備を進め、5月末に県知事登録旅行業の認可を得た。

 同社は13年前、県内初のバリアフリー高齢者住宅を建設し、高齢者が自分で食事作りや洗濯を行うことで機能が回復することを実感してきた。仲岡代表は「日々意欲的に生きるには目標とリフレッシュすることが必要です」と話す。

 日本旅行に20年勤務し、ホームヘルパー2級の資格を持つ「ユニバーサルトラベル紀州」営業の佐野芳秀さん(57)は「これからが始まり。お客さま一人ひとりの夢の実現のお手伝いができたら」と話している。

 問い合わせはユニバーサルトラベル紀州(℡073・499・8333)。