「心まで響いた」 野上小で札響コンサート

 「札響」 の愛称で親しまれている札幌交響楽団が4日、 紀美野町動木の町立野上小学校 (東條容子校長) で生演奏を披露した。 児童に優れた舞台芸術を鑑賞してもらい、 豊かな感受性を育む文化庁の 「次代を担う子どもの文化芸術体験事業」 の一環で、 全校児童約260人がプロの迫力ある演奏に酔いしれた。 楽器に触れたり、 大編成の楽団を指揮する体験もあり、 音楽の楽しさを味わった。

 演奏会は体育館で開かれ、 円光寺雅彦さんの指揮の下、 ブラームスやチャイコフスキーなど児童も聞いたことのある有名な曲が披露された。

 楽器ごとの音の違いを知ってもらおうと、弦楽器のバイオリンやビオラ、 管楽器のフルートやホルン、 打楽器のティンパニなどさまざまな楽器の特徴も音色とともに紹介。児童らはハープの美しい音色や巨大なコントラバスの低音に驚いていた。

 体験では、 6年生の田伏菜央さん (11)、安平鈴菜さん (同) が指揮に挑戦。 演奏のまとめ役のコンサートマスターと会場にあいさつするところから始め、 「ダダダダーン」の出だしで有名なベートーベンの 「運命」 を指揮した。 ぎこちないテンポになったが、 演奏者がうまく合わせるなど、 ユーモラスな演奏に会場から拍手が送られた。 また、 シンバルや大太鼓などに触れる体験も行った。

 指揮に挑戦した田伏さんと安平さんは 「すごく緊張したけど、 楽しかった。 指揮棒をもらったので宝物にしたい。 生の演奏は迫力があり、 心まで響いた」と興奮気味に話していた。