和歌山県指定文化財に 地蔵峰寺と福勝寺

 県教育委員会は7月の定例会で県指定文化財の指定・解除に関する審議を行い、 新たに13件を指定、 1件を解除。 本紙エリアでは海南市下津町橘本の地蔵峰寺境内と福勝寺境内の2件が記念物の史跡に指定された。

 今回、 新たに指定されたのは有形文化財の建造物1件、 考古資料1件、 記念物の史跡8件、 天然記念物3件の合わせて13件。 本紙エリアの2件は、 ともに熊野参詣道紀伊路に当たる史跡として指定された。 解除は台風12号で被災した那智勝浦町、 熊野那智大社の瀧見堂跡。

 地蔵峰寺の本堂に鎮座する本尊は高さ1・475㍍の巨大石造地蔵菩薩坐像。 旧境内にある高さ3・8㍍の石造宝篋 (ほうきょう) 印塔とともに鎌倉時代末期に作られ、 御所の芝は花山法皇御幸の時の頓宮 (とんぐう) の跡といわれている。

 福勝寺の本堂は15世紀後半に作られたといわれており、 江戸時代に建立された求聞持堂には紀州藩初代藩主・徳川頼宣の守り本尊 「虚空蔵菩薩」 を安置。 名号堂、 裏見の滝は 『紀伊国名所図会』 の挿図に描かれている。