流派を超えた圧巻の演奏 ブラジル和歌山県人会連合会④
2012年12月15日、 ブラジル・サンパウロ市の文化センターで、 箏曲家・西陽子氏のコンサートが開催され、 会場には多くの日系人や市民が訪れた。
コンサートでは、 西氏によるソロ演奏の他、 世界初演の 「久遠の大地」 が披露された。 この曲は西氏が著名な作曲家・江戸信吾氏に 「ブラジルと日本の架け橋になるような曲を」 と依頼し、 作曲されたものだ。 和楽器の箏が日本を飛び出し、 地球の反対側で大事に育まれていることへの感謝を込めた曲だ。 当日は現地で箏に親しんでいる日系人の箏愛好者3団体との共演が実現、 総勢25名の圧巻の演奏となった。
日系人の方々は、 数カ月前から練習を積み重ねてきたという。 西氏との音合わせが2日間しかなかったにも関わらず、 本番では息のあった音色が会場に響き渡った。
筆者はその光景を見て、 深く感動し、 何度も涙が溢れた。 遠い異国の地で、 日本の伝統楽器、 箏が演奏されている。 皆が先祖に日本人を持つ日系人で、 しかもいくつもの流派を超えて、 日本への思いあふれた曲を奏でている。 音楽の力、 文化の力、 そしてブラジル日系人の力はすごいと強く感じたコンサートだった。
次のURLで演奏会の模様を動画配信している。 http://youtu.be/5iUb5g9wx6c
(神野翔/サンパウロ)
新春特集として4週に渡り、 ブラジル和歌山県人会連合会との交流について取り上げました。
※2月16日(土)午後9時放送の、 箏曲家・西陽子の 「音楽って素敵なこと」 (和歌山放送) で訪問の模様を放送する予定です。