星林あと一歩及ばず 接戦の末、初戦敗退

 第95回全国高校野球選手権記念和歌山大会は大会4日目の15日、和歌山市毛見の県営紀三井寺球場で2回戦3試合が行われ、延長戦に突入した第3試合は接戦の末、星林が近大新宮に3―4で敗れた。

 〔第3試合〕

近大新宮 0 0 0 0 0 3 0 0 0 0 1 4
星林 0 0 0 0 1 2 0 0 0 0 0 3

(延長11回)
 〔近〕湯川、橋野―嶋本〔星〕竹田、小寺―西畑▽3塁打=山本夏、森下(星)

 星林は2点を追う6回、2死から暴投と西川の右前適時打で同点とした。試合は延長に突入。春準優勝の近大新宮を相手に健闘したが、あと一歩及ばなかった。

負傷乗り越え登板 星林・小寺投手
 6回表、1死満塁。ここまで近大新宮打線を抑えてきた竹田は押し出しの四球を与え、小寺にマウンドを託した。「俺に任せろ。絶対に抑えるから」。「頼むぞ」。
 小寺は昨秋、右肘を剥離骨折した。けがをした小寺に代わってチームを支えたのが竹田だった。小寺がけがの影響で離脱した間、竹田はチームの柱としてマウンドに立ち続けた。そんな竹田の姿を見た小寺は、早く治して負担を減らそうと、治療に専念した。
 今夏のエースナンバーは竹田。唇をかむ小寺に対し、竹田は「2人でエース。ダブルエースのつもりで頑張ろう」と声を掛けた。
 小寺はこの日、痛み止めを飲んで登板。1人目の打者に対し、決め球の縦のスライダーが暴投となり、勝ち越しとなる生還を許した。以降、好投を続ける小寺の姿に、応援席から「小寺」コールが鳴り響く。
 試合には敗戦。「2人で継投した試合で一番よかった」と竹田は振り返る。小寺は「竹田は最高のピッチングをしてくれた。あいつがエースナンバーでよかった」。互いを認め合ってきたダブルエースは、目に涙を浮かべて球場を去った。