財源不足61億円の見込み 和歌山市26年度予算

 和歌山市は平成26年度当初予算編成方針を発表した。規模は本年度とほぼ同じ約1470億円で、既存事業には本年度比5%カットのシーリングをかけ、防災・減災対策などの重点事業に優先配分するが、約61億円の財源不足(本年度約47億円)が生じる見通しとなっている。

 財源を優先配分する重点事業は、青岸エネルギーセンターや伏虎中学校区の小中一貫校整備など本年度から継続中の大規模事業に加え、防災・減災対策、27年開催の紀の国わかやま国体・大会関連の事業としている。

 財源捻出のため既存事業費には5%のシーリングをかける一方、大橋建一市長が示した「いのちを守る」「人と文化を育てる」「ふるさと力を高める」の3つの視点に沿った重点施策の予算枠として7億6000万円を確保する。

 財源不足には、退職手当債の発行や財政調整基金の取り崩しで対応する方針だが、同基金を27年度以降の調整財源として確保する必要があることから、行政改革推進債の発行も検討せざるを得ない状況だとしている。

 大橋市長は課長級以上の幹部職員に訓示し、「限られた財源の中で新しい事業を立ち上げるには、基本的にはスクラップアンドビルドしか手段はないことを理解し、局内での調整を徹底してほしい」と述べた。