学校建設で桜伐採へ 地元が陳情書

 和歌山市の城北小学校と城北公園の敷地に平成29年度開校予定の小中一貫校の建設をめぐり、敷地周辺の桜を伐採することに公園利用者や近隣市民の一部が反対の声を上げている。市教育政策課は、防球フェンス設置や登下校の安全を確保する歩道整備などのため伐採はやむを得ないとして理解を求めている。

 問題の敷地には、城北、本町、雄湊の3小と伏虎中が統合する小中一貫校を建設。同課によると、城北公園は昨年9月に学校用地となり、夏休み中に南グラウンドの整備を行う予定。7月中旬には同公園地下駐車場の階段整備のため、敷地南側のイチョウやアカシアの木を伐採した。桜は敷地東側に15本、西側に4本あり、西側は新しいプールなどを建設するため、全て伐採を予定している。

 市教委は、平成23年3月に各連合自治会長らによる「伏虎中学校区学校適正規模化推進協議会」を発足し、学校整備に関する協議を重ねて計画を進めてきた。各学校区で保護者らを対象にした説明会を開いた他、地域の回覧板などで建設への理解を求めてきたが、ことし6月、城北地区連合自治会(秦壽孝会長)は、市長、教育委員長、教育長宛てに、桜の保全などを求める陳情書を提出した。

 秦会長(67)は「地域がこれまで育ててきた桜を残すことはできないか。地域住民が過ごせる憩いの場を確保してほしい」と話す。

 同課は「桜は学校の象徴のようなもので、校内に数本の桜を植える予定。子どもたちの成長を一番に考え、市民からの意見を受け入れて計画を進めていきたい。ご理解をいただきたい」としている。近々、陳情書に回答する見通し。