一般会計236億円 海南市当初予算案

 海南市は19日、平成27年度当初予算案を発表した。一般会計は236億1564万円。新庁舎の用地・建物の取得完了や海南スポーツセンターの建設終了に伴い前年度比1・5%の減少となった。主な取り組みとして「(仮称)西部こども園」建設や子育て支援、防災対策といった事業を進めていく。

 市役所で神出政巳市長が会見。当初予算案について「将来にわたる安定した財政運営を念頭に置きながらも、子育て支援や防災対策等の懸案事業を着実に推進すべく配分した」と説明した。

 新庁舎は1月に用地・建物の取得が完了し、27年度は改修工事に向けた基本・実施設計を実施。海南スポーツセンターは3月末に建設が終了し、4月下旬オープンのスケジュールとなっている。

 「(仮称)西部こども園」建設事業は黒江、日方の幼稚園と室山、日方の保育所を統合し、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ認定こども園を日方の旧市民病院跡地に整備。平成29年度の開園を目指して新年度に病院撤去や設計の費用3億746万円を盛り込んでいる。

 子育て支援は学童保育や幼稚園教育の充実。学童保育は日方、内海、大野各小学校の定員を合わせて90人増やすための保育室増設に1518万円、幼稚園教育は給食実施日、水曜日、夏季休業の取り扱い拡充に178万円を充てる。小中学校空調設備の整備費も計上している。

 防災対策は、避難対策、自主防災組織の設立と活動支援、災害情報の収集・伝達体制の整備、家屋・施設の耐震化、防災教育・防災活動への支援にわたる17事業に計1億6872万円。津波緊急避難ビル14カ所に「地震自動解錠ボックス」を設置する。

 この他、特別会計は7会計で170億4284万円(前年度比8・2%増)、企業会計は2会計で55億7445万円(同16・9%減)。予算総額は462億3293万円(同0・4%減)となっている。

 【一般会計歳入】
 市税は3・9%少ない69億7000万円で、法人市民税や固定資産税などで2億8200万円の減収となり、地方交付税は2・5%多い61億円の見込み。借金に当たる市債は、新庁舎整備や海南スポーツセンター建設の終了に伴い14・8%減の30億8800万円となっている。

 【一般会計歳出】
 人件費は退職者不補充による0・5%減で47億9400万円。扶助費、公債費を含めた義務的経費は125億6000万円で全体の53・2%を占めている。投資的経費は25・2%減の29億7600万円にとどまった。