精神障害者家族の支援を つばさの会総会

和歌山市精神障害者家族会「つばさの会」(岡田道子会長)の第31回総会が17日、和歌山市吹上の市保健所で開かれた。精神障害者を抱える家族の支援について日本福祉大学の青木聖久教授が講演し、シンポジウムなども行われた。

総会には会員や一般市民ら約120人が参加。尾花正啓市長や浮島智子衆院議員らが来賓としてあいさつし、同会の活動をたたえた。

青木教授は、28年間にわたる精神障害者やその家族との関わりから学んだことを講演。日本では5人に1人が生涯のうちに精神疾患を患い、平成25年度の精神障害などによる労災支給決定件数は436件(うち自殺は63件)と増加傾向にあると説明し、「自殺による当事者は本人だけでなく家族もそう。人ごとではないと知ってもらいたい」と強調した。

その上で、家族の支援には、思いを共感できる場や安心できる場が大切であると話し、「人は社会的諸問題そのものよりも、結果としての社会的孤立が苦しい。〝私はあなたの味方〟ということが伝わればあとは大丈夫。問題は変わらなくても、周囲の人との関わり、本人の受け止め方でその位置付けは変わる」との考えを示した。

続いて、市保健所や医療機関、訪問看護事業者らが、それぞれの立場から発言するシンポジウムが行われた。

岡田会長は「在宅の精神障害者が回復していくには家族の支援が重要と実感している。講演、シンポジウムを聞いてその思いを強くした」と話していた。

講演する青木教授

講演する青木教授