開通祝う会盛大に 城山トンネル供用開始

 県が拡幅工事を行い、昨年6月から通行止めになっていた、海南市黒江と日方地区を結ぶ都市計画道路・黒江築地線の城山トンネルが完成し、24日に供用を開始した。開通した区間は170㍍(うちトンネル113㍍、幅12㍍)で、新トンネルは以前の2倍以上の幅に広がり、車道の両側に幅2・5㍍の歩道とフェンスを整備。渋滞緩和など利便性と安全性が向上した。

 開通を祝って同日午前9時から、市主催の「城山トンネル開通を祝う会」が盛大に催され、来賓や地元住民ら約200人が出席した。

 はじめに、神出政巳市長が「地域のみなさまと共に心待ちにしていた城山トンネルが完成し、感慨無量の思い。地場産業や観光振興などの経済活動面でも大きな力を発揮すると期待している」と式辞を述べた。

 続いて来賓祝辞が行われ、仁坂吉伸知事は「すべての道は海南に通じるを目標に、さらに都市計画道路の拡充を図っていきたい」、石田真敏衆院議員は「大掛かりな改修で素晴らしいトンネルができた。関係者に感謝したい」と話した。

 トンネル出入り口に掲げられた「城山トンネル」の銘板は地元の小学生が揮毫。黒江側は海南中学校1年(当時黒江小)の田中葉月さん、日方側は日方小学校5年の田中拓海君が担当し、式典で紹介された。

 海南中学校吹奏楽部による祝賀演奏の後テープカットが行われ、住民らは黒江側から日方側に向かって徒歩で通り初めを行った。

 黒江船尾地区連合自治会長の冨士順一郎さん(82)は「20年来の悲願がかなった。両側に歩道があり、どこにもない転倒防止の柵を作るなど、素敵なトンネルが出来上がった」、日方地区連合自治会長の上野山正さん(91)は「これまで何回も拡幅工事の話が持ち上がったが、今回は本当に完成してうれしい」と笑顔で話していた。

 黒江築地線は、海南市内を南北に縦断する延長約1・2㌔の都市計画道路。拡幅前の城山トンネルは63年前の昭和27年に作られたもので、幅5・4㍍と狭く、老朽化と歩行者の安全が課題だった。

 県は平成24年度に事業着手し、昨年6月からトンネル内を上下通行止めにして工事を進めてきた。地元住民の協力や業者の努力で当初の予定より2カ月以上早く工事は完成した。

 総事業費約8億円(うちトンネル約6億円)。施工は㈱淺川組(栗生泰廣取締役社長)=和歌山市=と、木下建設㈱(木下英文代表取締役)=有田市=の淺川・木下特定建設工事共同企業体。設計は基礎地盤コンサルタンツ㈱和歌山事務所(十河和人所長)=和歌山市=。

テープカットで完成を祝った

テープカットで完成を祝った


トンネルを通り初めする地元住民ら

トンネルを通り初めする地元住民ら