景況判断3期ぶりマイナス 財務事務所調査
近畿財務局和歌山財務事務所の景気予測調査で、県内企業の平成27年10~12月期の景況判断BSI(前期比「上昇」から「下降」を引いた指数)はマイナス4・3となり、同年1~3月期以来、3期ぶりのマイナスに転じたことが分かった。産業別では非製造業、規模別では中小企業がマイナスとなっている。
10~12月期の景況判断BSIを産業別でみると、製造業はプラスとマイナスが均衡(前期10・0)しているが、非製造業はマイナス7・7(同マイナス6・8)。製造業では受注内容の悪化による利益率の低下があるなどの声が聞かれ、非製造業では国体関連工事の終結や入札の競合激化による影響が大きいとの声が出ている。
規模別では、大企業(資本金10億円以上)は6・7(前期6・3)でプラス、中堅企業(1億円以上10億円未満)はプラスとマイナスが均衡(前期13・0)したが、中小企業(1000万円以上1億円未満)はマイナス8・9(前期マイナス6・7)で「下降」超だった。
今後の見通しは、全体で来年1~3月期がマイナス2・1、4~6月期がプラスとマイナスが均衡となっている。
売上高(電気・ガス・水道、金融・保険業を除く)は、27年度下期で8・1%、通期で9・4%のいずれも減収見込み。経常利益は、下期で39・1%、通期で40・6%の減益を見込んでいる。設備投資は全産業で34・9%減の計画で、製造業は2・4%増、非製造業が51・0%減となっている。
雇用情勢は、12月末時点の従業員数判断BSIで「不足気味」超が18・1。約7割の会社が適正であると回答しているものの、一定程度受注が改善した企業から人手不足との声が聞かれた。今後の見通しも、来年3月末、6月末時点とも「不足気味」超が続いている。
調査は県内に本店がある資本金1000万円以上の法人94社を対象に11月15日時点で実施(回収率85・5%)した。