和工で「世界禁煙デーフォーラム」

 31日の「世界禁煙デー」を前に、「たばこ問題を考える会・和歌山」(中川利彦事務局長)主催のフォーラムが28日、和歌山市西浜の県立和歌山工業高校で開かれ、医療関係者、保健所職員ら約40人が「健康社会のための教育」をテーマに考えた。

 日赤医療センター呼吸器内科副部長の池上達義さんが、肺がんと慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患とたばこの関連性について講演。2014年の米国公衆衛生総監報告を受け、呼吸器以外のほぼ全てのがんや病気にも喫煙が関わっているという喫煙のリスクを強調した。

 病気を発症してからでも禁煙すると進行が遅くなる、生存率が上昇するという結果から、禁煙が健康に効果的なことを解説し、「薬がない時は禁煙することが最善の治療法」と語った。

 そして禁煙と病気の治療には禁煙外来だけでなく、薬剤師や栄養士など多くの専門家のサポートによる包括的な支援が必要だと話した。

 後半は県内での禁煙教育について3人が報告。「和歌山禁煙教育ボランティアの会」代表の西畑昌治さんは、小学生への禁煙教育と、その中で児童に聞かれた質問と回答を紹介した。

 那賀医師会学校医部会喫煙防止教育グループの上田晃子さんは、小中高生へのアンケートから、未成年者の喫煙や有害性への認識について報告。同校の奥田恭久教諭は、毎年5月に行っているアンケートでは生徒の意識も変化しており、喫煙で指導される生徒も減少していると報告した。

講演する池上さん

講演する池上さん