知事発言に遺憾 薬学部新設で和歌山市議会

統合後の伏虎中学校跡地に県立医科大学薬学部を誘致する計画に関連し、和歌山市議会の野嶋広子議長らは29日、市役所で緊急記者会見を開き、仁坂吉伸知事が市議会の審議権を侵害するような発言をしたとして、遺憾の意を表明した。

仁坂知事は26日、県庁での定例会見で、誘致計画に対する市議会での批判的な意見を念頭に、計画が頓挫した場合に学生や職員らがまちなかに滞在することがなくなると指摘する中で「都合1000人ぐらいの人間が消えると。消した人はちゃんとそれを後世に対して責任を持たないといけない」と発言した。

野嶋議長は、市議会の議論は薬学部反対ありきではないとした上で、「知事発言は、自由な議論を事前に抑制する行為以外の何ものでもない」と指摘。「どうか知事においても、お互いの立場をご理解いただいて、発言にお気をつけいただきますよう念のため申し添えます」と苦言を呈した。