血合いをレバ刺しに 上田さん調味料が特許
「バナナにマヨネーズをかけたらメロン味になる!?」などの味覚のマジックが数ある中、時に廃棄されるマグロやカツオの中骨付近の血合いを、提供禁止になった牛レバ刺しの風味に変える調味料を和歌山市松江東の建具店自営、上田耕造さん(65)が開発し、製造方法の特許を取得した。安全、安価に牛レバ刺し風を楽しめることから、普及に期待がかかる。
自宅敷地に自身でログハウスを建築するなど、さまざまな技術を持っている上田さんだが、特許の取得は今回が初めて。熱を入れるようになった発端は、食品衛生法に基づき、平成24年7月に牛レバーの生食が、昨年6月には豚の肉や内臓の生食用の提供が禁止になったこと。代用品がないかを考えていたところ、自身で作っていた東北などの郷土料理で、麹などを原料とする「三升(さんしょう)漬け」と一緒に魚の血合いを食べた際に、牛レバー風味になることに気付き研究を開始した。
開発した調味料は、米麹にしょうゆを加え、さらに刻んだダイコンやキュウリなどのぬか漬け、山椒、唐辛子などを混ぜて1週間から10日ほど寝かせて完成させる。これまでにも料理好きな人たちが、魚の血合いがレバ刺しに似ていることをネット上で発信することはあったが、米麹をベースとした上田さんの調味料とゴマ油により、風味を大きく近づけることに成功した。
上田さんは、開発した調味料と血合いを使用したレバ刺し様食品についても、特許を出願しているという。
上田さんは「魚の血合いを捨てずに有効利用でき、レバ刺し好きな人にも喜んでもらえる。麹菌や漬け物の乳酸菌の作用で健康にも良い調味料なので、広めていきたい」と意欲をみせる。
調味料についての問い合わせは上田さん(℡073・451・2962)。