文化財火災から守れ 風土の丘で総合訓練

26日の「文化財防火デー」を前に、和歌山市消防局(出口博一消防局長)は25日、同市岩橋の県立紀伊風土記の丘で、約50人が参加した総合消防訓練を行い、同所職員らでつくる自衛消防隊らとの連携などを確認した。

同運動は昭和24年1月26日、法隆寺の金堂が炎上し、壁画が焼損したことから定められ、毎年各地で防火訓練が行われている。

訓練は、同所敷地内にある県指定文化財の旧小早川家住宅の裏山から出火し、自衛消防隊が初期消火を行うが、延焼したと想定。火災発見後に、自衛消防隊員らは、同住宅から文化財を搬出して避難させるとともに、消火栓から初期消火活動を実施。通報で駆け付けた消防隊員らと共に、放水活動を展開した。

自衛消防隊長の米田良博副館長(56)は、「敷地内の岩橋千塚古墳群は国の特別史跡であり、敷地内全体に重要な歴史的価値があるので、訓練を機会に、防火の意識を高めていきたい」と話した。

旧小早川家住宅(奥)付近で、初期消火活動を行う自衛消防隊員ら

旧小早川家住宅(奥)付近で、初期消火活動を行う自衛消防隊員ら