医食住の高層マンションに 友田町再開発

和歌山市友田町で計画されている再開発事業「(仮)友田町4丁目プロジェクト」の参画事業者が25日、和歌山市のホテルグランヴィアで記者会見し、計画の概要を発表した。市内で3番目に高い建築物となり、市街地のマンションでは最も高い高層マンション(約78㍍)が建設される予定で、すでに問い合わせも多数寄せられるなど、関心が高まっている。分譲販売は平成30年に開始し、同32年2月の竣工を予定している。

会見に参加したのは、おととし4月に同プロジェクトのために発足した四丁目再開発㈱の木綿紀文社長(パーク建物㈱社長)、児玉敏宏取締役(医療法人博文会理事長)、特定事業参加者の旭化成不動産レジデンス㈱の池谷義明社長ら。

発表された事業内容によると、概算で90億円弱(国・県・市補助金当初額32億円含む)を投資し、現在のスーパーゴトウ本店JR和歌山駅前店ビルをことし夏に解体。新たに地下1階、地上20階建ての高層ビルを建設する。地下は免震装置を設置、1階にはスーパー「ゴトウ本店」が再び入居し、2階に小児科などのクリニックモールや託児所の誘致を計画。3~6階には、地権者でもあり、現在、同市餌差町で運営している児玉病院(人工透析センター併設、内科・腎臓内科・循環器内科など)が移転、入居する予定。

7階から20階の分譲マンションは、99戸(2~4LDK)の配置が予定されている。価格帯は未定だが、子育てファミリーや高齢者世帯、単身世帯などを幅広くターゲットとする。すでに昨年夏ごろから、医療の充実や駅近くの居住を求める県南部の高齢者、子どもを私立学校に通わせたい親などから20件近い問い合わせがあり、和歌山城と海が望める最上階には2世帯ほどの入居希望者が現れるなど、反響は大きいという。

会見で、木綿社長は「今回の事業で何よりうれしいのは、近隣や隣接の地権者の方にも事業に加わってもらえたこと。東京オリンピックの年の開業を目指して、にぎわい創出に少しでも貢献したい」と計画への思いを述べた。

児玉取締役は「児玉病院がビルに入って運営するのは初めての経験。上にはマンション、下には商業施設の環境の中で、住民の健康面や急病の際の対応をよりできるように、良い施設にしたい」と話した。

高層ビルの完成イメージ(四丁目再開発提供)

高層ビルの完成イメージ(四丁目再開発提供)