インドネシア特使来県 マリーナなど視察

県と経済や観光などの分野で関係を深めているインドネシアから、1月に新設された日本担当特使を務めるラフマット・ゴーベル氏(54)を団長に、企業や芸能関係者ら約60人で構成する訪問団が25、26日に来県し、和歌山市の和歌山マリーナシティや白浜町などの観光地を視察した。

県は昨年4月、仁坂吉伸知事が同国を訪問し、アチェ州や首都ジャカルタで津波対策に関する講演を行い、同国商業省と経済交流促進を目的とした共同声明を発表するなど、同国との関係を深めている。昨年10月にジャカルタで開かれた展示商談会「第31回トレード・エキスポ・インドネシア」には県内から製造業を中心に8社が参加した他、現地の旅行業者が県内の観光地を視察するツアーも行われている。今回の訪問団も、県が昨年秋に要請していたものが実現した。

ゴーベル特使は、中央大学(東京都)を卒業後、パナソニック㈱と現地企業の合弁会社「パナソニック・ゴーベル・インドネシア」の社長やインドネシア日本友好協会の理事長を務めるなど日本と関係が深く、県内を訪れるのは2回目。

訪問団は25日朝に関西国際空港へ到着。バスで県内入りし、和歌山市のモデル・本谷紗己さんの案内で、和歌山マリーナシティや和歌山城、白浜町の千畳敷や三段壁などを視察した他、湯浅醤油(湯浅町)の工場を見学し、農園紀の国(御坊市)でイチゴ狩りを体験した。

マリーナシティでは、マグロの刺身を中心とする日本食を味わった後、黒潮市場で開かれたマグロの解体ショーを見学し、一行は脂ののったマグロやわさび味のふりかけなどに関心を持った様子。ゴーベル特使はマグロの解体ショーに驚きの表情を見せ「わずか10分であんなに大きい魚をさばく技術はすごい」と話し、「見るもの全てが勉強になる。インドネシアと日本の文化交流を広げるために頑張りたい」と両国の関係発展に意欲を示した。

同行した県の瀨一郎企画部長は「インドネシアの有名な芸能人の方にSNSで県内の観光地を発信してもらえれば、県内の観光地を知ってもらう上で効果的だと思っている」と話していた。

26日には和歌山市のホテルグランヴィア和歌山で仁坂吉伸知事主催の歓迎レセプションが開かれ、県内政財界の関係者らが一行と交流を深めた。訪問団は27日に京都に移動した後、山梨県と東京都を訪問し、3月3日に帰国する予定。

和歌山マリーナシティを訪れたゴーベル特使㊨、髙瀨部長㊥、一行の皆さん

和歌山マリーナシティを訪れたゴーベル特使㊨、髙瀨部長㊥、一行の皆さん