県域越えて初の合併 和歌山・兵庫信漁連

和歌山、兵庫両県の信用漁業協同組合連合会(信漁連)は1日、全国で初めて県域を越えて合併し、新たに、なぎさ信用漁業協同組合連合会(愛称=JFマリンバンクなぎさ)が誕生した。組合員の減少など、信漁連を取り巻く環境が悪化する中、新たな形態として先行きが注目される。

信漁連は、漁業者に対し、漁業資金の融資や貯金の取り扱いを行う。組合員の高齢化と減少に加え、水揚げ高の落ち込みも進んでいることから、貯金、貸出の減少や貸出債権の劣化は収支構造に深刻な影響を与えており、より大きな枠組みの中での新たな体制づくりを検討し、平成25年11月から広域合併に向けて協議を進めてきた。

合併によって貯金残高は全国4位の1211億円、単体自己資本額は41億9100万円に増え、経済情勢に応じた効果的な運用や10億円規模の大口融資も可能となる。貸出金残高は234億円、出資金は28億円となっている。

なぎさ信漁連の本店は明石市に置き、管理や企画部門を配置する他、両県に9店開設されている直営営業店の人員体制を拡充する。県内には4支店、3直営営業店が設置される。

1日に神戸市の神戸ポートピアホテルで開かれた設立総会には、両県の漁業関係者約70人が出席。なぎさ信漁連の経営管理委員会会長に和歌山信漁連の榎本秀春代表理事会長、副会長に兵庫信漁連の中川照央代表理事会長が就任した。