男性1人けが 台風18号で県内被害
大型の台風18号は17日の夕方から夜にかけて和歌山県内に接近し、各地で大雨や強風による停電や交通機関の乱れが発生し、強風により、由良町の「白崎海洋公園道の駅」で28歳の男性が転倒し重傷を負った。
県によると、太地町太地で1時間当たり43㍉、那智勝浦町勝浦で38㍉の雨が降り、17日午後9時までの累積雨量は那智勝浦町勝浦で333㍉を記録。和歌山市の友ヶ島では同日午後8時35分に44・7㍍の最大瞬間風速を記録した。
和歌山市西大工町の城北会館では壁がはがれ、モルタルが落下した。停電も各地で発生し、同市で約4570軒。同市内では市道加太47号線の淡嶋神社前と河西橋が通行止めとなった。
交通機関も大きく乱れ、JR西日本はきのくに線の和歌山―新宮間で17日午後の運転を見合わせた。同線の初島―下津間では18日午前3時50分ごろに倒木が発生し、列車の運休により約130人に影響が出た。特急くろしおは17日が25
本運休し、和歌山線は和歌山―五条間で一部列車が運休。県内のJR線の17日の運休は計125本で、約1万1300人に影響が出た。18日は午前中の2本が白浜―新宮間で部分運休となった。
南海加太線は紀ノ川―東松江間で17日夜に運転を見合わせ、南海フェリーは17日が全便、18日は上下6便が欠航となった。岬町と淡路島を結ぶ深日洲本ライナーは17日の全便が欠航となった。空の便では南紀白浜空港と羽田空港を結ぶ17日の便が2便欠航した。
台風の接近を受け、和歌山市で6世帯7人、紀美野町で10世帯11人など、県内各地で54世帯108人が避難した。
台風による県内農林水産業の被害額は5982万9000円。農作物等の被害額は5946万9000円で、紀の川市で柿や桃の枝折れが発生し、園芸施設155棟で2712万1000円の被害となっている。
畜産関係の被害額は36万円。広川町で停電による鶏舎の温度上昇が発生し、ブロイラー550羽が死んだ。
水産業関係の被害は調査中。