10期ぶりプラス判断 財務事務所景況調査

近畿財務局和歌山財務事務所の景気予測調査で、和歌山県内企業の平成29年10~12月期の景況判断BSI(前期比「上昇」から「下降」を引いた指数)は2・0となり、10期ぶりにプラスに転じた。規模別では大企業と中堅企業がプラスの一方、中小企業はマイナスとなった。

景況判断BSIを産業別でみると、製造業は4・7(前期マイナス9・3)、非製造業は0・0(同マイナス4・9)。製造業では「大企業からの受注が増加し、生産はフル稼働の状況」(金属)、「堅調な受注や販売価格の上昇により、売上、利益ともに増加」(鉄鋼)など、非製造業では「台風の影響などから気温の低い日が多く、冬物衣料品の売上が増加」(小売)などの声がある。

規模別では、大企業(資本金10億円以上)は14・3(前期7・1)、中堅企業(1億円以上10億円未満)は12・1(前期5・7)でプラスだったが、中小企業(1000万円以上1億円未満)はマイナス7・4(前期マイナス18・2)で「下降」超だった。

先行き見通しは、全産業で来年1~3月期が8・9、4~6月期がマイナス4・0となっている。

売上高(電気・ガス・水道、金融・保険業を除く)は、全産業で29年度下期が2・7%、通期が6・7%のいずれも増収見込み。経常利益(同)は、下期が12・9%の減益だが、通期では32・8%の増益を見込んでいる。設備投資(土地を除く、ソフトウェア投資含む)は通期で3・6%減の計画だが、産業別では製造業が35・4%増、非製造業が31・1%減となっている。

雇用情勢は、12月末時点の従業員数判断BSIで「不足気味」超が40・2。今後の見通しも、来年3月末、6月末時点とも「不足気味」超が続いている。

調査は県内に本店がある資本金1000万円以上の法人(電気・ガス・水道、金融・保険業は1億円以上)を対象に11月15日時点で実施し、101社(回収率90・2%)から回答を得た。

企業の景況判断BSIの推移(産業別)

企業の景況判断BSIの推移(産業別)