空き家の抑制へ協定 和歌山市と専門家団体
和歌山市と不動産、建築などの7専門家団体は23日、増加する空き家の対策に連携して取り組むことを定めた協定を締結した。専門家団体への相談窓口設置や売買・相続登記の促進などを通じて、空き家の増加抑制を目指す。
市空家対策課によると、昨年末現在で市内には5510棟の空き家があり全建築物の3・0%を占めるという。
市役所市長室で行われた締結式では、尾花正啓市長や7専門家団体の代表者らが出席し、協定書に調印した。
尾花市長は市の人口が減る中、一人暮らしの高齢者数がここ10年で約22%増えていることを強調。空き家の増加ペースがさらに加速する可能性があるとし、「空き家の増加は地方創生にとって一番の問題だ」と述べ、倒壊の恐れや衛生上の問題がある「特定空き家」の一部を本年度内に認定したいとした。協定については「対策として心強い。それぞれの専門窓口で相談を受け付けてもらえたら」と話した。
全日本不動産協会県本部の坂本俊一本部長は、土地の境界に関する相談を受けた際、隣の住宅が空き家で相続関係も数世代にわたって判明せず、苦労した経験を紹介。「空き家の発生は、原因のかなりの部分が相続にあるのでは」との見方を示していた。
市と協定を締結した専門家団体は次の通り。
県不動産鑑定士協会▽県司法書士会▽県土地家屋調査士会▽全日本不動産協会県本部▽県宅地建物取引業協会▽建築三団体まちづくり協議会(県建築士会・県建築士事務所協会・日本建築家協会近畿支部和歌山地域会)▽ミチル空間プロジェクト