各党応援弁士も続々 和歌山市長選後半へ

29日の投開票に向けて後半戦に入った和歌山市長選。新人の島久美子候補(62)、現職の尾花正啓候補(65)はいずれも複数の政党から推薦、支援を受けており、2人の演説会などには各党の国会議員らも続々と応援に駆け付けている。カジノ誘致反対を前面に出す島陣営に対し、尾花陣営はカジノを争点とみなしておらず、両陣営はそれぞれの訴えを繰り広げている。

島候補は共産、社民、新社会各党が推薦し、自由党からも支援を受けている。公示日の22日、JR和歌山駅前での街頭演説では自由党代表の山本太郎参議院議員と社民党副党首の福島瑞穂参議院議員が駆け付けた。

山本議員はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致について「(誘致先の)マリーナシティがにぎわっても、市内の商店や施設の経営が厳しくなる可能性が高くなる」と訴え、「生活が豊かになるような政治をしようとしてくれる候補を応援したい」と支援を呼び掛けた。

福島議員は「カジノ誘致は外資系企業に和歌山を売り飛ばすようなもの。地元に利益はない」と批判した。

島候補は「市民の命と暮らしを本気で支え、応援する市をつくりたい」とし、高齢者が元気に暮らせるリフォーム制度や国民保険料を払えない市民の生活を見直す専門チームの設置などを訴えた。

尾花候補は自民、公明、国民民主各党の推薦を受け、国政では対決する与野党が共に支援する形となり、個人演説会では、衆議院和歌山1区でしのぎを削る岸本周平(国民民主)、門博文(自民)両衆議院議員が応援のマイクを握る。

岸本議員は「尾花氏は4年間しっかり取り組んできてくれた。2期目は社会福祉でやらせてもらいたい」と市政運営を評価。門議員も「先頭に立って国に要望を届けてもらい、市民の命を守ってくれる人だ」と話し、「和歌山市長が誰になるかは市民にとっても、それ以外の県民にとっても大切なこと」と関心を持つよう呼び掛けた。

尾花候補はIRには言及せず、1期目の実績と福祉増進を目指す考えを話し、人口減を背景に「若い世代を市に呼び込めるかどうかが大事な時期。まちづくりも産業振興も総合的にしていかなくては住みやすい市にならない」と訴えた。

和歌山駅前で街頭演説する島候補㊧と個人演説会で訴える尾花候補

和歌山駅前で街頭演説する島候補㊧と個人演説会で訴える尾花候補