県・県教委・県警も算定誤り 障害者雇用率
中央省庁や全国の自治体が障害者の雇用数を水増ししていた問題で8月31日、和歌山県と県教育委員会、県警でも雇用率の算定を誤っていたことが明らかになった。県では2017年6月1日現在の雇用者数で、対象とすべきでない職員17人を算入していたことが判明。雇用率は1・91%となり、法定雇用率を下回った。県警では18年の報告で5人の不足が判明し、雇用率は1・21%だった。
法定雇用率は、都道府県の場合、職員に占める身体・知的・精神障害者の割合を2・5%(17年度までは2・3%)以上にする義務がある。重度の身体障害者や知的障害者は1人を2人、週30時間未満の短時間勤務者は1人を0・5人と算定して国に報告している。
県人事課によると、再調査は8月22~29日に非常勤職員を含む全職員を対象に、手帳や診断書の有無などを確認。国に報告した17年6月1日現在の障害者数は93人だったが、再調査で手帳を確認できたのは77人で、16人(実人数17人)は確認できなかった。2・30%としていた障害者雇用率は1・91%となり、法定雇用率を下回った。
18年6月1日現在の障害者数や実雇用率については、再算定した結果、障害者数は84人で実雇用率は2・11%となった。今後は障害者雇用計画を立て、法定雇用率の達成に向けて取り組む。
同課は「障害のある方や就労支援者、雇用促進に取り組む企業の皆さまに不快な思いをさせる結果となった」とし、「ガイドラインに沿った適正な算定を徹底する」と話している。
県教委は1・96% 1人が手帳持たず
県教委では18年6月1日に報告した教職員79人のうち、1人が手帳を所持していないのに対象者として算入していたことが分かった。障害者雇用率は1・97%から1・96%となり、少なくとも17年度から法定雇用率の2・4%(17年度までは2・2%)を下回っている。
学校人事課によると、8月24~29日に再調査を実施。対象外と判明した職員に関しては十数年間、確認していなかったという。「障害者枠での採用検査の実施や事務補助員の採用など、計画的な採用に取り組んでいく」としている。
県警は0・25~97% 法定率大きく下回る
県警も31日、警察官を除く職員について、手帳を持たない人を誤って算入していたと発表。障害者雇用率は15年度が0・25%、16年度が0・74%、17年度が0・97%で、法定雇用率2・3%(18年度から2・5%)を大きく下回っていた。
警務課は原因について、調査担当者が手帳の所持を確認せず、前年の調査で障害があるとされた職員が在職していればその年も障害者として算入し、退職していた場合はその分の数を引いていたと説明。「手帳の確認が必要という認識がなかった。水増し報告をしていたという認識はない」と数値の意図的な操作を否定する一方で「誤った数値を報告していたのは極めて遺憾。今後は雇用促進を図り、法定雇用率の充足に向けて取り組みたい」と話した。
県警は15年度から障害者雇用の公募を開始したが、これまでの採用は1人にとどまり、16、17年度は応募がなかったという。