台風24号が県内上陸 交通機関に大きな乱れ

 非常に強い台風24号は9月30日夜、田辺市付近に上陸。10月1日にかけて日本列島を縦断した。暴風や高潮による被害が相次いだ先月の台風21号に匹敵する勢力と報じられ、厳重に警戒しながら不安な夜を過ごした住民も多かった。関西電力によると、和歌山市、海南市、岩出市、紀の川市、紀美野町など和歌山県内全域の最大約6万7000軒で停電が発生。1日午後3時現在、串本町など紀南を中心に2000軒で続いている。

 県などによると、住宅被害は串本町樫野で床上浸水1軒、同所や同町津荷で床下浸水2軒、那智勝浦町湯川で崖くずれ1件となっている。串本町の潮岬で最大瞬間風速43・0㍍(30日午後8時10分)を観測した。

 県内の交通機関にも大きく影響。JRは29日午後以降、きのくに線(和歌山―新宮駅間)特急列車の上下線、普通列車全線で順次運転を取りやめ、30日は特急くろしお27本を含む計193本が運転休止(部分運休を含む)。約1万8200人に影響した。

 10月1日は、台風に伴う線路への土砂流入や倒木による電線の切断などにより、普通列車の和歌山―御坊駅間、きのくに線特急列車の上下で始発から運休や遅れが出た。紀勢本線(和歌山―和歌山市駅間)、和歌山線(和歌山―五条駅間)上下線は始発から通常通り運転した。

 和歌山電鐵貴志川線は30日午後以降で終日運休を決め、南海電鉄は30日午後3時までに全線で運転を休止。ともに1日から通常運行した。南海フェリーは30日の全便が欠航した。

 和歌山市は30日午後4時20分、内水氾濫の恐れがあるため、加太や和歌浦、雑賀崎などの地区を対象に、早めの避難を呼び掛ける「避難準備・高齢者等避難開始」情報を発令。支所連絡所や小中学校など58カ所に、最大で217世帯298人が自主避難。安全が確保されたとして、1日午前7時20分までに避難者はゼロになった。

 週末に予定されていた、和歌山城天守閣再建60周年を祝う天守閣無料開放やライトアップ、和歌山城下町マラソン(和歌山青年会議所主催)などの各種イベントが中止になるなど影響が出た。

運転の遅れを伝える案内板(JR和歌山駅、1日午前11時10分ごろ)

運転の遅れを伝える案内板(JR和歌山駅、1日午前11時10分ごろ)