2期ぶりマイナス判断 7~9月県内景況
近畿財務局和歌山財務事務所の景気予測調査で、和歌山県内企業の7~9月期の景況判断BSI(前期比「上昇」から「下降」を引いた指数)は前期の0・0からマイナス5・9に下降し、2期ぶりにマイナスに転じた。規模別では大企業がプラス、中堅企業と中小企業がマイナスだった。
景況判断BSIを産業別でみると、製造業はマイナス16・7(前期マイナス10・8)、非製造業は2・0(8・5)でいずれも悪化した。
企業の声では「米中貿易摩擦の影響により、一部事業で受注が減少している」(情報通信機械)、「原料価格の上昇や輸送コストの増加に伴い、利益が減少する見込み」(食料品)などがあった一方、「主要取引先の国内・海外向けへの出荷量の増加に伴い、受注が増加している」(陸運)、「周辺観光施設等への観光客の増加に伴い、宿泊客数が高水準で推移している」(宿泊)といったものもあった。
規模別では、大企業(資本金10億円以上)は20・0(前期マイナス10・0)で「上昇」超だったが、中堅企業(1億円以上10億円未満)はマイナス6・9(前期マイナス6・3)、中小企業(1000万円以上1億円未満)はマイナス10・9(前期7・1)でいずれも「下降」超となった。
先行き見通しは、全産業で10~12月期がマイナス5・9、来年1~3月期がマイナス1・2で、「下降」超が続く予測となっている。
雇用情勢は、6月末時点の従業員数判断BSIで「不足気味」超が全産業で32・9。製造業、非製造業ともに「不足気味」超幅は縮小した。全産業の今後の見通しは、12月末が29・3、来年3月末が24・4で、縮小しながらも「不足気味」超は続くとみられている。
売上高(電気・ガス・水道、金融・保険業を除く)は、全産業の19年度通期で前年比3・6%の増収、経常利益(同)は10・1%の増益を見込んでいる。
設備投資(土地を除く、ソフトウェア含む)は、19年度通期で全産業が前年比59・8%増の計画となっている。
調査は県内に本店がある資本金1000万円以上の法人(電気・ガス・水道、金融・保険業は1億円以上)を対象に8月15日時点で実施。85社(回収率87・6%)から回答を得た。