コロナでもつながる 19カ国高校生フォーラム

国内とアジア・オセアニア地域の高校生が国際的な課題について意見交換し、交流を深める第6回アジア・オセアニア高校生フォーラムが29日に始まった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を受け、今回は初のウェブ会議形式となり、31日の閉会式まで、各国の生徒たちの活発な議論の様子がライブ配信されている。

同フォーラムは、2014年に日高高校が創立100周年記念事業としてアジア16カ国・地域の高校生を招待して開催したのが始まりで、翌年からは県の主催となっている。

今回は、インド、オーストラリア、韓国、台湾、中国、トルコ、ブルネイなど海外18カ国・地域から各1人と、和歌山県内から桐蔭、向陽、近畿大学付属和歌山、智弁和歌山、和歌山信愛など12校の21人、県外から群馬、熊本など5県の5人が参加している。

フォーラムでのやり取りは全て英語で行い、生徒たちは「津波・防災対策」「環境」「観光・文化」「教育」「食糧問題」の5テーマの分科会に分かれてプレゼンテーションや議論を進めており、最終日に意見をまとめて発表する。

29日の開会式は、那賀高校3年の新井未桜さん、北本晴楽さんの2人が司会を務めた。仁坂吉伸知事は参加者を歓迎し「パンデミックが終息した後には、これまでの常識が通じない世の中になるかもしれない。さまざまなアイデアや意見にふれることで、柔軟性を養い、友情を育み、世界各国の人々と手を携えながら、よりよい世界の構築に貢献できる人になっていただきたい」と期待を寄せた。

環境分科会の最初のプレゼンテーションは、星林高校2年の得津美祈さんが務め、校内の一室から「海洋プラスチックについて私たちができること」をテーマに発表。別室では、クラスメート約40人がライブ配信の画面を通じて見守った。

得津さんは、人間が廃棄し、海に流れ着いたプラスチックが海洋生物に悪影響を与え、ビーチの観光業を困難にしていること、海洋プラスチックを回収する世界のプロジェクトなどを紹介した上で、ごみの削減、マイボトルや環境に優しい製品の使用など、自分たちができる取り組みを少しずつでも進めることの大切さを訴えた。

発表後に寄せられた質問や提案にも英語で応じた得津さんは「すごく緊張しました。英語の質問に自分の言葉で返すのは難しいですが、楽しみながらできました。他の発表では質問していきたい」と笑顔で話した。

フォーラムのスケジュールとライブ視聴の方法は、県国際課ホームページに掲載している。

 

環境分科会のプレゼンテーションをする得津さん