三が日人出少なく コロナ禍の初詣様変わり

新型コロナウイルス禍の中で迎えた2021年の新春は、初詣の光景も様変わりした。和歌山市内各地の神社は三が日の参拝者数が例年を大きく下回り、マスクの着用や距離をとっての参拝など、感染防止対策をしながら新年のスタートに祈りを込めた。

秋月の日前宮では、鳥居の間口中央に「マスク着用 飲食厳禁」と書かれた白い看板を設置し、手水は使用しないよう、黄色いロープで囲われていた。

1人や少人数で初詣に訪れる人が多くなったが、拝殿で手を合わせた後、おみくじやお守りを買うなどして楽しむ光景は変わらなかった。

4日もマスク姿の参拝者が訪れ、鳥居前で深く一礼した後、境内へと入っていく姿が見られた。

市内の男性(73)は「家族の幸せを願いました。ことしはコロナで人が多いと怖いので、元日は避けてお参りしました。コロナが早く収まってくれれば」と話していた。

和歌浦西の紀州東照宮では、三が日の参拝者は昨年に比べて半減し、ピークの午後2時から4時ごろにかけて一時混み合うこともあったが、すぐに解消されたという。

お守りや破魔矢を販売する社務所には透明のシートを設置し、境内の手水舎は使用を禁止に。正月恒例となっている徳川家ゆかりの宝物展示も中止した。

同じく和歌浦西の和歌浦天満宮では、感染防止対策として、本殿につり下げている本坪鈴(ほんつぼすず)を外し、マスクの着用と、人との間隔をとっての参拝を境内放送で呼び掛け、参拝者への梅酒の振る舞いには紙コップを使用するなどした。

三が日の人出は昨年の3~4割程度だったという。

小板政男宮司は「コロナの流行が収まるように、引き続き神様にお願いをしていきたい」と話していた。

 

一礼して鳥居をくぐる参拝者ら(4日、日前宮)