新型コロナ対策 仁坂知事メッセージに反響

仁坂吉伸知事は昨年12月28日、「データの示す急所」と題して県のこれまでの新型コロナウイルス対策の方針と根拠、成果を県ホームページの「知事からのメッセージ」で発表した。その内容がインターネット上などで高く評価され、年始にかけて話題となっている。

入院や隔離は重症者だけにすべきとの議論に対し仁坂知事は、入院時に無症状の人がそのまま退院するのは約4割にとどまり、約6割は入院後に発症、さらに、そのうち2割は重症化しているとの県のデータを示し、「初め無症状や軽症だと思えた人も、放置しておいたらいかに危ないかということがわかります。だから、それが可能である限りは、全員入院が望ましいのです」と述べている。

また、感染源が当初は不明でも、感染者の行動履歴の調査やウイルスのゲノム解析などにより後から分かる事例は多く、感染を広げないためには「感染源不明などと言って、感染源を追わない現状を正当化してはいけない」としている。

コロナ対策の急所については「それは知事の配下にあるすべての公の資源を投入して、感染症法を用いてきちんとした保健医療行政を展開することです。しかも、現実のデータに基づいて科学的、論理的考察から技術を高めてこれを行うことです」とし、保健医療行政に携わる職員について「後世すべての県民は、この行政に携わって奮闘した職員のことをどうか記憶に留めてもらいたい。それが私の願いであります」と記している。

ネット上では、仁坂知事のメッセージへの反響は大きく、ツイッターで大阪府立大学の住友陽文教授は「データ(経験の結果)に基づく知見、それを踏まえて、万全な対策を実行しようとする行政家」、青山学院大学の近藤泰弘教授は「和歌山県知事のメッセージは、今までどこの公的機関が出したものよりも優れている」と称賛。フォロワー数152万人を超えるジャーナリストの津田大介さんは「読んでみたら予想以上にすばらしいものだったので皆さん読まれた方がいいと思います」と一読を勧めている。