たま駅長本に中国語版 貴志駅でサイン会
和歌山電鐵㈱(和歌山県和歌山市伊太祈曽、小嶋光信社長)は21日、三毛猫駅長「たま」の一生を紹介した児童書『ねこ駅長たま びんぼう電車をすくったねこ』の中国語翻訳本の発売を記念し、紀の川市貴志川町神戸の貴志駅で100冊限定販売とサイン会を実施した。
同書は小嶋社長の著作で、昨年7月に出版。発売から1年以上たった今も人気があり、今月には14刷重版。5万4000冊を突破した。
小嶋社長は昨年10月、京都で開催されたシンポジウムで、雑誌「在日本」の編集長で神戸国際大学教授の毛丹青さんと知り合い、中国語翻訳本の出版を企画。先月には上海ブックフェアで出版発表会を行った。
毛さんによると、中国では日本語に興味を持つ国民が多いことから、翻訳本には日本語も併記。専用のアプリを使えば、日本語の音声が聞けるように工夫されている。
小嶋社長と毛さんは、駅に集まったファンを前に発売を報告。ニタマ駅長も出席し、発売を喜んだ。小嶋社長は「大変うれしく思っている。中国の子どもたちの心を打ち、日中の懸け橋になってくれれば」と述べ、映画化の話が複数舞い込んでいることも紹介した。
奈良県大和郡山市から訪れたという会社員の茨木義也さん(22)は「中国語も勉強しながら読めるのでうれしい」と話していた。