水素ガスで炬火を点火へ ねんりんピック初
和歌山県は5日、11月に開催する「ねんりんピック紀の国わかやま2019」の総合開会式で、水素ガスを使用して炬火台点火する構想を発表した。水素燃料を使った炬火の演出は、ねんりんピック史上初めてとなる。
同実行委事務局によると、水素燃料は二酸化炭素を一切排出しない安全で環境に優しい次世代のクリーンエネルギー。従来、炬火燃料にはプロパンガスが使用されてきたが、昨年の福井国体で水素ガスを初めて使用。仁坂吉伸知事や県職員が視察で訪れ、ねんりんピックでの採用を検討していた。
水素ガスは炬火台の管から通し、炬火ランナーがリレーでつないだ炬火を点火する。水素ガスを燃焼した炎は無色透明だが、炎色反応などを利用した岩谷産業㈱(大阪市)の独自技術により、着色が可能となる。総合開会式では県のオリンピアンや東京オリンピックで活躍が期待される若手アスリートが炬火をリレーし、最終走者が炬火台に点火するという演出が予定されている。
同社はガスタンクや制御板などの供給設備一式と燃料となる水素を提供する。
仁坂吉伸知事は5日の定例記者会見で「仕掛けが難しく、設備投資も大変だが全て寄付してもらえる。その結果、水素炬火が可能になった」と説明。14日には協賛企業として、県から同社に感謝状を贈呈する。