和歌山ろう学校が初の津波避難訓練

今後起こるとされる東南海・南海地震に備えて、県立和歌山ろう学校(池田香弥校長)は11日、近くの和歌山財務事務所(羽田裕信所長)の合同宿舎3号棟(7階建て、高さ約21㍍)に避難する初の津波避難訓練を行った。幼稚部から高等部までの子どもたちと教職員、同事務所の職員ら約130人が参加した。

同校は海から約2㌔地点に位置。ことし6月、同事務所に3号棟を避難訓練の場所として使いたいと申し入れ、協力を得た。

訓練では、教室にある緊急の赤いランプが点灯し、放送で避難指示が流れると教職員が手話で子どもたちに机の下で身を守るように指示。その後、教職員が赤旗を持って先導し、運動場から同事務所の宿舎の屋上まで避難した。

高等部2年生の前田裕也さん(16)は「学校の近くに避難場所があるが心配だった。初めての訓練だったが速やかに行動できた」。同事務所の羽田所長(53)は「地域の人たちの役に立てるよう避難訓練などに協力していきたい」と話していた。同事務所は3号棟が市の「津波避難ビル」に指定されるよう協議を進めている。

3号棟に避難する生徒ら

3号棟に避難する生徒ら