道路ののり面生かす 太陽光発電ブロック開発

 関西の土木業者など5社でつくる 「パネソーラー協会設立準備委員会」 は、 太陽光発電設備を兼ね備えたブロック 「パネソーラー」 を開発した。 各社が技術を持ち寄り、 2年かけて完成させた。 道路ののり面などに設置することで土木分野での太陽光発電の普及・促進を図る。

 製品は 「コ」 の字型のコンクリートブロック。 幅1・8㍍×高さ1・2㍍×奥行き1・4㍍。 前面に国内メーカーの全ソーラーパネルが設置可能。 積み上げることができるため、 従来の太陽光発電設備のように平地を必要としないのが特長だ。 背面には編み目状のシートがあり、 これをのり面内部に埋め込むことで盛土の地滑りを防ぐ。

 価格はブロックとソーラーパネル合わせて20万円程度で施工できると試算。 来年春の発売を予定しており、 初年度3億円、 5年後には30億円の市場規模を目指す。

 ターゲットはこれまで有効に活用できなかった急傾斜地で、 積極的に自治体にも設置を働き掛け、 災害時には非常用電源として活用できる点をPRしていく。

 委員会に県内からは㈱原組 (紀の川市江川中)、 ㈲ランズスペース (和歌山市杭ノ瀬) の2社が参加。 5日には原組の敷地内で説明会があった。 同社の原伸行専務 (47) は 「自治体もソーラーパネルで発電し、 余剰電力を運用できるような社会になりつつあります。 このシステムを全国のマーケットに売り出すことで、 土木業界の活性化につなげたいですね」 と話している。