児童の受け入れ急務 来年度入学者ゼロの小川小

 紀美野町中田の町立小川小学校 (柳泰弘校長、 児童23人) では少子化の影響で来年の入学者がゼロ人となる見通し。 このままだと法律により、 職員数が現在の8人から4人に半減するという。 同校は学校行事などの運営が厳しくなるとして4日、 地域住民を対象に 「新入生・転入生の受け入れについて考える会」 を開き、 参加した区長や保護者ら約30人に 「皆さんに窮状を知ってもらい、 知恵と力をお貸しいただきたい」 と呼び掛けた。

 同校は現在1年生4人、 3年生5人、 4年生3人、 5年生4人、6年生7人の計23人が在籍。 3・4年生と5・6年生の2クラスは複式学級で、 教師が異なる学年を一緒に指導している。 来年には2・4年生、 5・6年生の2学級だけとなり、 教頭、 養護教諭、事務職員の3人がいなくなり、 職員数は校長、 給食・校務、 2クラスの担任の計4人となる。 来年、 1人以上入学すれば、 今の3学級が維持でき、 職員数8人で対応していけるという。
 小川地区に限らず、同町は過疎・少子化の問題を抱えている。 この日は町の現状を知ってもらおうと、 和歌山大学環境システム学科の平田隆行准教授、「NPO法人きみの定住を支援する会」のメンバーが、 町内の空き家や定住促進に向けた町の施策について紹介した。
 平成20年に同大学生が行った調査によると、 空き家の割合は6軒に1軒 (小川地区は7軒に1軒) もあるという。 ただ、 手入れすれば住める状態の空き家が半数を占め、 同町は大阪府や和歌山市から車で約1時間と比較的近い位置にあるため、 Iターン者が望む 「田舎暮らし」の需要が見込めるといい、 他の過疎地域に比べて環境条件はいい方だという。
 この日は定住促進に関するアンケートも実施。 参加者から 「受け入れるなら地域に解け込める若者がいい」「人物像が分からないから不安だ」 といった冷静な内容が多かった。 一方で、 「定住促進を進めるなどそんな悠長な時間はないのでは?」「里親制度や山村留学など具体的な対策をもっと考えるべき」 といった厳しい指摘もあった。 今後は11月に新入生・転入生を迎え入れる準備会(仮称)の発起人を募り、対策を練る。
 柳校長(56)は 「もちろん長く住んでもらえるような定住対策も必要だと思うが、 切羽詰まっていることもあり、 里親になってくれる人や空き部屋を間借りさせてくれる民家も探していきたい」 と話している。
 同校はホームページ (http://www.ogawaes.town.kimino.wakayama.jp/) でも来年の新入生を募っている。 問い合わせは同校 (℡073・489・2402) へ。