水道管の復旧に尽力 和歌山市管工事協同組合
台風12号で甚大な被害を受けた那智勝浦町の水道管の復旧工事で、和歌山市管工事協同組合に所属する市内の業者約20社、延べ250人が9月23日から28日まで、24時間態勢で約1400㍍の配水管を仮設。 通常なら1カ月はかかる工事をわずか6日間で完成させた。同組合の濵本黎二事務局長(71)は 「普段は商売敵だが、 協力するときは商売仲間。 いい連携を取ることができた」 と話している。
日本水道協会は平成20年、 「地震等緊急時対応の手引き」 を作成。 全国管工事業協同組合連合会もこれに準じる形で 「地震等緊急時における応急復旧工事対応マニュアル」 を作り、 各支部ごとに災害時の応援態勢を整えている。
和歌山市管工事協同組合は先月16日、 同町から配水管復旧工事の要請を受け、 組合に所属している事業所に協力を呼び掛け、 作業員を派遣した。
旧勝浦町の水源は太田川、 旧那智町は那智川となっているが、 氾濫した那智川は水源として使用できないため、 太田川の水を旧那智町に引く配水管工事を行う必要があった。
そこで、 作業員を3班に分け、 24時間態勢で突貫工事を実施。 配水管を側溝や川沿いの壁に設置するなど普段は行わない難しい工事があり、 工程もその都度変わるという厳しい状況だったという。 28日朝に完成し、 通水開始。 これを受け、 29日に自衛隊の給水部隊が撤収した。
現場リーダーの平岡卓治理事(49)は 「断水している約700戸に、 とにかく早く水を通さなければいけないという思いだけだった」 と振り返り、 輸送班のリーダー石橋洋二理事(48)は 「配水管が完成し、 その水で住民が網戸を洗っているのを見たときは感動した」 と話す。
濵本事務局長は 「組合員同士に強固な絆ができた。 東日本大震災のときに準備をしていたのが生きた」と話していた。