元気な泣き声響く 海南で奉納花相撲

 子どもの無病息災を願う泣き相撲が9日、海南市下津町市坪の山路王子神社(上田今朝男宮司)で行われ、市内外から参加した生後4カ月から3歳までの赤ん坊ら約140人が元気な泣き声を境内に響かせた。土俵の周りには、家族やアマチュアカメラマンがぐるりと取り囲み、愛らしい子どもの姿を見ては歓声を上げていた。

 赤いまわしを締めた赤ん坊は氏子らに抱かれて土俵入り。中には大声で泣きながらも、勝負が終わると自分の足で立つ子もおり、「元気な子やなー」と会場から大きな拍手が送られた。

 和歌山市から初参加した田中航大君(11カ月)の母親、麻希さん(27)は「息子がわんわんと泣いてくれ、元気な姿が見られて良かった。また来年も参加したいです」と話していた。

 江戸時代中期からあると伝えられる伝統行事。正式には「奉納花相撲」という。赤ん坊の背中に清めた土俵の土を付けることで、健康な子に育つと伝えられており、県無形文化財に指定されている。ことしは市立加茂川小学校1年生の森岡篤紀君(7)が行司役を務め、「ここに幼き子どもたちを集めて、無病息災を神様にお祈りして、奉納花相撲を興行つかまつりそうろう」と達者な口調で口上を述べた。