海南市の専念寺で60年ぶりに晋山式

 海南市名高の専念寺で、 新しい住職就任を祝う「晋山式(しんざんしき)」が行われた。 前任住職(29代目)の中西恭雄さんから、息子の恭介さん(30代目)へ引き継がれた。 同寺での晋山式は約60年ぶり。 この日は稚児行列の子どもや保護者ら約170人が参加し、 新住職就任を祝福した。

 地区を練り歩いて同寺を目指す行列では、 先頭を中村文雄総代代表が務め、 その後ろに笛を奏でる楽人、 鮮やかな衣装に身を包んだ稚児らが続き、 町内をゆっくりと練り歩いた。

 中村総代代表 (71) は 「これからもお寺のために尽くしていきたい」 と祝福。 新任の中西恭介住職 (48) は 「地域に愛されるお寺にしていきたい」 と抱負を語った。

 晋山式とは、 「比叡山」 延暦寺、 「高野山」 金剛峰寺などのように、 寺院には多く 「山号」 が付けられており、 その山に晋 (すす) むという意味で呼ばれている。 同寺は 「一心山」 を山号としている。

 同寺の歴史は1600年代にさかのぼるとされ、 徳川吉宗の時代から現在の規模となり、 代々続いてきたという。