和歌山市の「大黒グループ」が好調

 和歌山市を拠点に医療機器、 介護関連事業、 病院情報システムなどの販売、 開発を手掛ける 「大黒グループ」 が元気だ。 厳しい経済状況の中、 平成9年に売上高100億円、 同17年には200億円を突破。 昨年は約270億円を打ち出した。 グループ3社の堀井孝一社長(61)は、 「創立65周年の2016年には売上高550億を目指す」 と話している。

 グループは、 医療機器の販売などを行う 「㈱大黒」 を軸に、 病院の物流管理システムなどの開発・提供を行う 「㈱ダイコク・システム・サービス」、 介護福祉用具のレンタルや販売を行う 「㈱大黒ヘルスケアサービス」 から成る。
 創業から商品をただ納めるだけでなく、 医師が必要とする商品や情報を提供することで信頼を得てきた。 さらに医療機関に 「一般的な雑務は取り除き、 医療に集中して携わってもらいたい」 と、 独自のラベルよる物流管理システムを開発。 使った物品からはがしたラベルを台紙に貼って回収し、 商品名、 メーカー名、 診療科、 発注時期、 納入量など全てをデータ化し、 コスト、リスク、 資産の情報管理を可能にした。 現在、 全国の大学付属病院や総合病院、 診療所など約200施設で導入されている。

  「コミュニケーションが重要。 説得から納得に、 そして合意にしないといけない」 と話す堀井社長は、 社員教育にも力を入れている。 新たな幹部を育てようと堀井社長自ら 「塾頭」 となり 「堀井塾」 を開設、 経営のノウハウを伝えている。 約30人の卒塾した社員は幹部として活躍している。

 堀井成治前社長が県立医科大学解剖学教室の研究の手伝いをしていたのをきっかけに病院ビジネスを開始。 堀井社長は 「創業者の意志を受け継ぎ 『創造と進化』 の精神で、医療業界のニーズに役立つインフラを構築し続けていきたい」と話している。

 来年8月には和泉市に3000坪の物流センター 「医療機器流通改善トライアルフィールドayumino」 (仮称)の建設を予定している。