被災地にエール 第九合唱団が練習に熱

 18日に市民会館で開かれる 「ベートーベン交響曲第九番演奏会」 を前に、 市民合唱団 「県第九合唱団」 (山本光子団長) は14日、 同演奏会で指揮を務める東京交響楽団常任指揮者の大友直人さん (53) を迎えて練習を行った。 大友さんが指揮をするのは11年ぶり。 山本団長 (72) は 「東日本大震災や台風12号など世界中で大きな災害があった。 会場全体でエールを送れるような演奏にしたい」 と話している。

 演奏会はことしで39回目。 同合唱団は8月から練習を始め、 最終的に中学生から70代の約120人の団員が集まった。 初回から39年連続参加している人や、 ことし初めて参加した人らが、 交流を深めながら練習を重ねてきた。 今回の演奏会は、 海外でも指揮者として活躍する大友さんを迎える。

 この日、 大友さんは体を大きく動かして指揮を取り、 各パートを指導。 「もう一度聴かせてください」 と丁寧に呼び掛け、 何度も発音や音程を確認し、 「いい音程に音を集中させて」 「リラックスしてテンポ良く」 と指導。 団員は、 注意されたことを楽譜に書き込みながら、 会場いっぱいにハーモニーを響かせていた。

 大友さんは 「不況の影響なのか全国的に市民合唱団が減る中、 和歌山の第九合唱団は演奏に対する情熱がある。 一人ひとりの努力や夢に応えるべく、 練習してきたことを十分に発揮できるような演奏にしたい」 と話している。

 同演奏会は、 18日午後2時半から、 和歌山市民会館で開かれる。 チケットの問い合わせは和歌山音楽愛好会フォルテ (℡073・422・4225) へ。