子育ての実体験基に ママ8人が絵本手作り

 和歌山市美園町のNPO法人和歌山こどもの広場 (橋口千代子理事長) は今月、 市内で子育て中の母親8人と協力して作った絵本 「子育てママの絵本」 (A5サイズ、 80㌻) を初めて発行した。 絵本は温かみのあるかわいらしい絵に母親たちの実体験を基にした文章がつづられ、 子どもに対する愛情があふれる一冊に仕上がった。母親らは口をそろえて 「自分の子どもが大きくなったら見てもらいたい」 と話している。

 きっかけは、 ことし6月に同NPOが始めた 「絵本講座」。 講座はもともと、 「絵本の選び方や読み聞かせ方などを知りたい」 という母親の声に応えて開催。 その中で、 「ママの手作りした絵本ならもっと素晴らしいものになるのでは」 と提案があり、 同市中之島の童話作家、 太田甲子太郎(かしたろう)さん (63)の指導の下、制作が始まった。

 同市田中町の岡村絢子さん (35) は、 やっとの思いで妊娠し、 子どもが生まれてくるのを楽しみにしていたことを思い返して描いた。 作品の中では、 なかなか生まれてこない子どもに、 「早く会いたい」 という気持ちを伝えている。 同市黒田の米本直子さん (32)は、 いつも舌を出している子どもの特徴を捉えて作品にした。 舌を子どものトレードマークと表現し、 舌を出して笑ったり泣いたりしているいろんな表情を描いた。

 車が登場する絵本が少ないと感じていた同市神前の岡﨑洋子さん (31) は、車好きの長男・正篤君(2) のため、 自分と子どもを車に置き換えて普段の生活サイクルを表現。 いずれも母親の視点で描かれており、「ママにしか描けない優しさを感じてもらいたい」 という。

 絵本は同NPOの他、県立図書館 (西高松)、市民図書館 (湊本町)などで閲覧できる。販売はしていない。

 問い合わせは同NPO (℡073・428・2411)。