企業本社の誘致へ 和歌山県が奨励金制度創設

 県は、大規模工場などの企業誘致を目指し新たな奨励金制度として、物流経費の30%を補助する「物流経費補助金」、本社機能となる事務所の施設立地に必要な資産合計額「投下固定資産額」の30%を補助する「本社機能移転奨励金」を創設した。適用は来年1月1日から。

 物流経費補助金の対象は、物資等の輸送にかかる経費で、運送会社への委託費や、自社(連結子会社含む)が支払う燃料費・通行費。補助限度額は年間1億円で、有効期間は京奈和道路、紀伊半島一周道路が供用されるまでの間。

 県の奨励金制度の中には、工場や物流施設を対象にした立地奨励金はすでにあるが、本社のみを対象にした制度はなく、これまでに本社と工場が一緒に移転してきたケースはないという。事務職員の雇用創出を図るため、本社機能の移転を促進しようと、本社事務所の投下固定資産額の30%を補助する。工場に本社機能を併設して企業立地した場合、工場部分は施設立地に投下固定資産額の10%、本社部分は30%補助する(新規地元雇用者数により限度額あり)。

 また、これまでもあった「オフィス施設の立地奨励金制度」についても、ビルを間借りするなど初期投資額を抑えるところが多いため、投下固定資産額の下限を3000万以上から1000万円以上と条件を緩めた。

 同奨励金制度については5年間をめどにしている。仁坂吉伸知事は27日の定例会見で「立地を考えている企業に向けて、歓迎しているのを形に表した。予算措置が必要になるほど制度が使われることを期待したい」と話していた。