松田商店が和歌山で初受賞 エコマークアワード
資源リサイクルセンター㈱松田商店(和歌山市西河岸町、 松田美代子社長)がこのほど、 環境を考えた優秀な取り組みを表彰する 「エコマークアワード2011」 の銀賞に選ばれた。 入賞したのは全国9事業所で、 県内事業所の受賞は初めて。 同表彰制度は、 日本環境協会が平成22年度に創設。 昨年は、 味の素ゼネラルフーヅ㈱など有名企業が銀賞を受賞している。
同社は、 ペットボトルや空き缶のリサイクル、 産業廃棄物の処理事業などを展開。 100%ペットボトルをリサイクルした洗面器やマグカップなど、 数点の商品がエコマーク認定を取得。 自社のオリジナルキャラクタークルリンちゃんを作るなど、 親しみやすい企業づくりに励んでいる。
ごみのリサイクルについて学ぶため、 県内外の小学生を中心に年間約5000人が社会見学に訪れることから、 「子どもたちに楽しんで学習してもらえるように」 と6年前に自社ビル内の見学室を改装。 地元の事業者と1年間かけて構想を練り、 見学室につながるビル内の階段の壁面部分も含め、 近未来の風景をイメージしたクルリンワールドに作り替えた。 見学室には舞台を設け、 ごみを分別しないと発生する怪獣 「マゼゴミラ」 など悪役を登場させ、 ごみの分別の大切さを訴える演劇を上演。 同社スタッフも地元の劇団員から演技指導を受けるなど、 子どもを飽きさせないよう工夫を凝らしている。
昨年の夏、 同社常務取締役の松田多永さん(36)が同表彰制度を知り 「自分たちの取り組みがどう評価されるのだろうか」 と応募を決めた。 書類審査を通り、 本審査では松田さん自身がパワーポイントを使ってプレゼンテーションした。
銀賞に選ばれた理由として 「リサイクル工場を 『テーマパーク化』 するという斬新なアイデアの下、 独自のキャラクターを使うなど取り組みがユニーク。 中小企業の地域に根ざした優れた先進事例」 と評価された。
松田さんは 「地域の人のごみをいただいてしている仕事であり、 地元に開けた会社を目指してきた。 私たちの取り組みの方向性が間違ってなかったという後押しになりました。 リサイクルを目で見て理解し、 子どもが大人になっても環境問題について考えられるきっかけを与える場所になれば」 と話している。 2月に東京で表彰式が行われる。